「うちは売上は上がってるんだけど、なぜか手元にお金が残らないんだよな…」

そう感じている経営者の方、実はものすごく多いです。
頑張っても頑張っても利益が出ない。社員の給料は払ってるし、売上も下がっていない。それなのに、なぜ?
この“利益が残らない状態”から抜け出すには、実はたった一つの視点を変えるだけで大きく好転する可能性があります。

この記事では、

  • なぜ利益が残らないのか?よくある勘違い

  • 経営者が意識すべき「粗利」の考え方

  • 実際に行動に移すためのチェックリスト

を、分かりやすくお伝えします。

売上があるのに利益が残らない経営の正体

多くの中小企業経営者がぶつかる壁、それが「売上はあるのに、利益が出ない」という現象です。
この状態、よく言われるのが「黒字倒産」の入り口。現金が手元に残らず、気がつけば資金繰りに追われている…そんな未来が待っているかもしれません。

私も以前、ある小規模事業者の支援をしたとき、月商500万円あったのに、利益が月10万円しか残らないという実例を見ました。
なぜこんなことが起きるのか?
その原因の多くは、「売上さえ上がればなんとかなる」という思考にあります。

利益が出ない企業の共通点

利益が残らない企業には、いくつかの共通点があります。たとえば、価格競争に巻き込まれて利益率が下がっていたり、無駄な固定費がかさんでいたり。また、目標が「売上◯万円!」というように、利益ではなく売上にしかフォーカスしていないことも多いです。

「黒字倒産」も他人事ではない

会計上は黒字なのに倒産する。これが「黒字倒産」です。資金繰りに余裕がなく、支払いができなくなれば黒字でも経営は成り立ちません。帳簿の上では儲かっているはずなのに…という思い込みが、経営者を一番危険にさらします。

経営者自身が陥る“思考の罠”

経営者はときに「自分が頑張ればなんとかなる」と考えがちです。しかし、思考の方向を間違えていると、努力が空回りします。「頑張って営業したのに利益はゼロ」ではなく、「利益が残る仕組み」を整える視点が必要なのです。

利益が残らない原因は“売上至上主義”にある

売上を追いかけるのは経営者として当然です。けれど、その売上の中身、見ていますか?

例えば、A社は月商500万円で粗利率10%。B社は月商300万円で粗利率50%。
実は、最終的な利益はB社の方が圧倒的に多いんです。

「たくさん売れば何とかなる」ではなく、**「利益が出る売り方をしているか」**がカギ。
この視点が欠けていると、いくら売っても苦しい経営は続きます。

なぜ「売上を上げれば何とかなる」が危険なのか

売上は確かに大切です。ただ、それが低粗利の商品だった場合、どれだけ売っても利益が残りません。逆に、粗利率の高い商品なら、売上が小さくても十分な利益が出ます。「売上≠儲け」だという認識が必要です。

利益を出すには“売上”より“粗利”を見るべき理由

粗利(売上総利益)は、売上から仕入れや原価を引いた「本当の儲け」です。これを重視しないと、いくら売っても会社にお金が残りません。営業成績を「売上額」で評価するのではなく、「粗利」で見る視点が重要です。

コスト構造を理解しないと、利益は永遠に残らない

固定費と変動費、自社のビジネスモデルのコスト構造を把握していますか?たとえば、固定費が高いのに低単価商品を大量に売っても、利益は残りにくい。経営者が数字に強くなることは、利益を出す第一歩です。

経営者が今すぐ見直すべきたった一つの視点とは?

それが、「粗利を見る」という視点です。

粗利は「売上 − 売上原価」。
これをしっかり意識して、利益が出る商品・サービスに集中することが、実は利益を残す最短ルートです。

特に中小企業は、全方位に手を出すよりも「利益が出るもの」に絞ることで、経営体力が全然変わってきます。

粗利率=経営のエンジン

粗利率は、会社の健全性を表す数字です。いくら売っても利益が出ないのなら、その商品はエンジンの回転が鈍い車のようなもの。粗利率を意識した商品設計・価格設定が、利益体質の出発点になります。

高粗利ビジネスへの転換を考える

「薄利多売」はもはや通用しにくい時代。利益を出している企業は、無理な値下げをせず、高粗利の商品やサービスを構築しています。顧客の“価格感覚”に合わせすぎず、価値に見合った価格をつけることが重要です。

売上より「利益率」で判断する思考を持つ

売上がいくらあっても、利益がなければ意味がありません。逆に、売上が少なくても利益率が高ければ経営は安定します。経営判断の軸を「売上額」から「利益率」に切り替えることが、持続可能な経営への近道です。

利益体質の会社に変える具体的ステップ

理屈がわかっても、実際にどう動けばいいか分からない方のために。ここでは、すぐに取り組める実践的なアクションを解説します。

自社の「粗利率」「固定費」「変動費」を把握する

まずは自社の数字を“見える化”することから始めましょう。粗利率の計算、固定費・変動費の内訳確認など、基本的な会計データの把握が経営改善の第一歩です。

商品・サービス別に利益率を見直す

全体の売上ではなく、商品ごとの「儲けやすさ」を把握しましょう。利益率が低いものは販売戦略を見直すか、取り扱いを縮小する決断も必要です。経営資源を集中すべき商品が見えてきます。

安売りをやめる勇気を持つ

値下げは簡単ですが、利益を削る最大の敵です。安易なディスカウントは、顧客の期待値を下げ、自らの首を絞めることになります。価格競争ではなく、「価値」で勝負する視点が求められます。

利益が残る会社に共通する「経営の視点」

利益がしっかり残っている会社には、共通する考え方や行動があります。ここでは、そんな企業の思考法から学び、取り入れるヒントを紹介します。

顧客満足より「価値提供」と「単価アップ」を意識する

顧客満足は大事ですが、それだけでは利益は残りません。本質的には、「価値を提供し、その対価として高単価でも選ばれる仕組み」を作ることが利益に直結します。

価格競争ではなく“選ばれる理由”を作る

他社より安いから選ばれるのではなく、「この会社だから買いたい」と思わせる理由があるかどうかが重要です。ブランド、対応、サービス内容など、差別化のポイントを明確にしていきましょう。

小さくても強い会社は「粗利」から考える

従業員数が少なくても利益を出している会社は、例外なく「粗利」を最重要視しています。量ではなく、質で勝負するスタイルこそが、長く続く経営を支える基盤です。

利益が残る経営に変わるために、まずやるべきこと

最後に、これまでの内容を踏まえ、今すぐ始められるアクションをまとめます。どれも今日からできることばかりです。

自社の数字を見える化する(管理会計のすすめ)

財務会計では見えない日々の利益構造を「管理会計」で把握することで、意思決定の精度が上がります。社内に数字が見えるようになると、社員の意識も大きく変わっていきます。

利益構造を把握できる「月次会議」の設計

利益率、原価、営業活動の効果などを毎月振り返る会議を設けましょう。感覚や勘ではなく、数字をもとに議論する文化が会社を強くします。

まずは一つの商品・サービスから粗利改善してみる

全部を変える必要はありません。まずは主力商品の価格を見直したり、原価を下げたり。ひとつの成功体験が、次の改善へとつながります。

まとめ

売上は伸びているのに、利益が出ない。そんな経営に悩んでいるなら、まず「粗利を見る」という視点を持ってください。 利益体質の会社は、派手ではないかもしれません。でも、確実に生き残り、成長しています。 今こそ、売上至上主義から一歩抜け出すタイミングです。

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